遊びの時間は赤ちゃんが自ずから探索し、自発的に活動するための時間です。大人のあなたが遊ぶ相手をしてあげたり、テレビやコンピューターのような刺激の強いおもちゃで楽しませるための時間ではありません。もしそうだとしたら、子どもは内なる好奇心の糸をすぐに失ってしまいます。
大人がしてあげられることは、赤ちゃんにとって身体的にも知覚的にも挑戦しがいのある環境を作ることです。そうすることで、赤ちゃんは大人を必要とし、大人に何かをしてもらわなくても、自分で世界を探索し発見することができるようになります。
一方、多少の挑戦はあった方がいいですが、それが赤ちゃんにとって不可能なものであったり難しすぎると、赤ちゃんが遊びの中に深く入り込むことが逆に難しくなります。赤ちゃんが自発的に遊べるよう、何をどのように準備し環境を整えてあげるたら良いのか。それを知るためにはまず、赤ちゃんを観察することです。赤ちゃんの動きや遊びを観察することで彼らへの理解が深まると同時に、彼らが粘り強く自分で問題を解決していく姿を見るのはとても興味深いものです。
遊びを中断されることなく、遊ぶ時間と空間を与えられた子どもたちは、小学校にあがってから様々なことを学ぶ上で役立つスキルを身につけます。例えば好奇心、自分自身と他者に対する自信と信頼、集中力、注意力、協調性、そしてバランス感覚です。もちろん、これらのスキルは子どもたちが成長していく中でさらに発達していくものですが、その基盤は生後数年間で築かれます。子どもたちが好奇心旺盛に、世界について探究し学ぶことが楽しいと感じながら学校に通えるとしたら、どんなに素敵なことでしょう。
赤ちゃんや小さな子どもたちにとって、遊びは単に時間をつぶすためのエンターテイメントやお楽しみではありません。彼らが遊んでいる時、彼らは無意味に物をいじっているのではなく、遊びを通して学び方を学んでいるのです。