「ピクラー保育園でも、噛みつく子どもはいますか?」
これは、自由遊びに関する講座でよく受ける質問の一つです。
ピクラー保育園でも、噛みつく子どもはいます。
例えば今年、私が勤務する保育園の赤ちゃんクラスには、他の子どもを噛む男の子と女の子がいました。二人とも生後3ヶ月から園に通い始め、それぞれのペースで順調に成長してきた子どもたちです。男の子は朗らかで、穏やかに体を動かします。一方、女の子は活発で、よく動き回ります。二人とも社交的で、目が合うと嬉しそうに笑い、自分から他の子どもたちに近づいて一緒に遊ぼうとしたり、コンタクトを取ろうとします。両児の親は気さくで、愛情深く誠実に子どもたちを育てています。保育園でこの2人の様子を見守ってきた保育士たちにしてみれば、まさかこの2人が他の子どもを噛むようになるとは思ってもいませんでした。
噛みつきは男の子が9ヶ月、女の子が10ヶ月の時に始まりました。噛みつく直前に子どもたちの間でおもちゃの取り合いがあったわけでも、不快な状況があったわけでもなく、穏やかな環境の中で突然噛みつき始めたのです。ニコニコと笑顔で近くの子に近づいていったと思ったら、その直後に相手のおでこを噛む。ただ隣り合わせにいるだけだと思いきや、突然腕を噛みついてくる。そんなことが保育時間中、何度も起こりました。もちろん、なぜこの子たちが噛むのかを理解しようと努めることは重要ですが、同時に、ピクラーアプローチでは原因が何であれ、人を噛むことは許されないということを最初から明確に伝えることも同様に重要です。大人は落ち着いて即座に介入し、噛みつきを止めさせます。たとえ子どもがまだ1歳になっていなくても、他の子どもや大人を噛むことは許されないということを明確に伝えるのが、私たち保育者や大人の役割です。
でも赤ちゃんはただ遊んでいるだけで、悪気があってやっているわけではないし、そんな小さな赤ちゃんに理解できるはずがないんじゃないの?まだ小さいうちは噛むことを許してもいいんじゃないの?
あなたがそう考えるとしたら、それは間違いなくその赤ちゃんを可愛く思い、大切にしたいからでしょう。
しかし、赤ちゃんは私たちが思っている以上に多くのことを理解することができ、誰かを噛んではいけないということを学ぶ能力も十分に備えています。問題は、私たち大人が、赤ちゃんや幼い子どもたちがその能力を持っていることに気づいているかどうかです。
さて前述の2人の子どもの噛みつき行動は、その後どうなったのでしょうか?噛みつきが始まってから1ヶ月後には、この行動はほぼ見られなくなりました。実際、噛み癖が始まったら、2歳や3歳になってから対処するよりも、早い段階で「噛むのは許されないことだ」と伝える方がはるかに効果的です。さらに、赤ちゃんの頃に大人を噛んでも皆が笑顔で笑っていたのに、2歳や3歳になった頃に突然「噛んではいけない」と言われるのは、子どもにとっては理解しがたいことです。最終的に「ダメ」とされる行為には、最初から一貫して「ダメ」と伝えなければいけません。一貫性を保つこと。これは、保育や子育てにおいてピクラーアプローチを実践する際、大人が持つべき重要な姿勢です。